お前の唇、奪っていい?


ごめんなさい、啓くん

私のワガママで、振り回しちゃって


嫌だったら、このことは忘れて




そう言うと、啓くんは近くにあったティッシュで私の涙を拭いて、私を抱きしめてくれた




「ずっと舞が祐誠のことで引っかかってるっていうのは分かってた。
でも知らないふりしてたんだ。怖かったのかもしれない。舞が祐誠に取られたらどうしようって」


「そんなわけない!私は啓くんが好きだもん」


「.........うん、僕も好き。...はぁぁ、舞がその気にさせるから、もう今更やめたくない」


「うん、やめないで。啓くん、大好き」




小鳥のようなついばむキスをした後、部屋の照明をリモコンで消す


心臓のドキドキは、止まることはなかった




啓くんの心臓の音、吐息、キスをするたびになる音


全部が、私の鼓動を早くさせる




「これからもずっと、一緒にいたい。僕が舞を、幸せにしたい」


「うん、ずっと一緒にいようね、啓くん。私は絶対離れないよ」




世界中の女の子達がいつかは経験するこの時間が、初めて私の元にきた




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