お前の唇、奪っていい?


「869円になります」


「良かったの?買って貰っちゃって」


「俺、こう見えても稼いでるんで」


「はは、そーでしたね」




嫌味かよ!...まぁでも、奢ってくれるならありがたいけどね




ここのコンビニは、私も祐誠も常連だから、

私たちが一緒にいても店員さんはもう何も言ってこない




初めの方は、めっちゃ話しかけられたりしたんだけどね




「今日も撮影だったんですか?」


「え?」




ふと、祐誠はレジの女の店員さんに話しかけられた




「あ、すみません。いつもはその、制服とか着てらっしゃるのに、
今日は私服だったのでそうかなぁと」


「あぁはい、そうなんです、今日は雑誌の撮影で」


「そうだったんですね、そういえば...」




チラリ、と祐誠の隣にいる私に目を向ける




ん?




「よく一緒に買いにこられますけど、彼女さんですか?」


「「は?」」




か、彼女ー!?!?




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