もういちど、あの海で
「永山さんのことが好きです。僕でよければ付き合ってくださいっ」
「ありがとう。でもごめんなさい」
その男子は逃げるように去っていった。
私も花梨のところに戻る。
最近眼鏡をコンタクトにかえて、三つ編みからおろしただけで、男子から声をかけられることが多くなった。
「愛音はかわいくていいよねー。最近、毎日毎日告られてさ!」
「かわいくなんかないよー」
「自分でかわいさに気づけよ!天然愛音めー!」
「天然でもかわいくもありませーん」
と言い、卵焼きを落とすあたしに花梨はまた笑う。