『ドルチェ♬』
オレンジ色と涙
『お願いだって、詩乃。』
『やだよ…、私、楽器とかやったことないし…』
❀✿
中学生になった私は、バンド部に入るまでは本当につまらないやつで…、
いつも一通りの少ない旧校舎の空き教室で一人空にカメラを向けていた。
あまり目立ちたがり屋ではなかった私は一人ぽつんと静かに居たくて
『絶対部活に入ること!』
という決まりのこの学校で廃部寸前の写真部を見つけて入部した。
写真部は、私以外にも3年生の先輩が二人いるらしいのだがこの空き教室の部室に毎日訪れている私でも1回もその姿を見たことがなかった。
つまり、この空き教室の部室は、ほぼ私専用みたいなものだった。
そんな、中学1年生の冬…、
いきなり幼馴染の裕翔が部室の戸を思いっきり開け放つと口早に言葉を紡ぐ
『聞いてくれ、詩乃!俺の友達がバンド部設立するんだよ!!』
まさにマシンガントークなみの口調に私の低脳で低回転の頭じゃ理解をするのに時間がかかりまるで脳内に一瞬暴風が吹いたかのような感覚がした。
『そっ、そうなんだ!良かったね?』
やっと理解した私は興奮気味の裕翔から無意識に距離をとった。
けど、そんな私を制止するかのように私の肩を裕翔は掴むとまたあのマシンガントークをする口を開いた。
『まだなんだよ!それが、まだ部員が二人足りないんだ!』
そういえば、この学校って部活を設立する時は3人以上じゃないと許可もらえないんだっけ…
設立後は新入部員がその後もちゃんと入れば何人でもいいらしいけど…、
だから何個もよく分からない部活あるんだなぁ。
『そうなんだ…』
何となく嫌な予感が漂いつつある裕翔の瞳から目をそらしつつ相槌をうった。
『やだよ…、私、楽器とかやったことないし…』
❀✿
中学生になった私は、バンド部に入るまでは本当につまらないやつで…、
いつも一通りの少ない旧校舎の空き教室で一人空にカメラを向けていた。
あまり目立ちたがり屋ではなかった私は一人ぽつんと静かに居たくて
『絶対部活に入ること!』
という決まりのこの学校で廃部寸前の写真部を見つけて入部した。
写真部は、私以外にも3年生の先輩が二人いるらしいのだがこの空き教室の部室に毎日訪れている私でも1回もその姿を見たことがなかった。
つまり、この空き教室の部室は、ほぼ私専用みたいなものだった。
そんな、中学1年生の冬…、
いきなり幼馴染の裕翔が部室の戸を思いっきり開け放つと口早に言葉を紡ぐ
『聞いてくれ、詩乃!俺の友達がバンド部設立するんだよ!!』
まさにマシンガントークなみの口調に私の低脳で低回転の頭じゃ理解をするのに時間がかかりまるで脳内に一瞬暴風が吹いたかのような感覚がした。
『そっ、そうなんだ!良かったね?』
やっと理解した私は興奮気味の裕翔から無意識に距離をとった。
けど、そんな私を制止するかのように私の肩を裕翔は掴むとまたあのマシンガントークをする口を開いた。
『まだなんだよ!それが、まだ部員が二人足りないんだ!』
そういえば、この学校って部活を設立する時は3人以上じゃないと許可もらえないんだっけ…
設立後は新入部員がその後もちゃんと入れば何人でもいいらしいけど…、
だから何個もよく分からない部活あるんだなぁ。
『そうなんだ…』
何となく嫌な予感が漂いつつある裕翔の瞳から目をそらしつつ相槌をうった。