飴玉のような恋じゃなくても
私の名前
恋って全てが甘い飴玉の味?
ううん、違う。
それを私は初めて知った、
君を想うことで…。


私の名前は山内千空(やまうち ちひろ)。今年から中学生。今から入学式です。私は中学入試をして、中高一貫校の渡瀬学園に合格した。
「ちひろーおっはよー!!やっぱり、制服似合ってる
ね〜!!」
そう言って話しかけてきたのは小学校と塾が同じだった日生麻友(ひなせ まゆ)ちゃん。私の大親友です。
「おはよ〜。まゆは相変わらずテンション高いね〜笑」
「だって憧れの渡瀬学園に入学出来るんだよ!?もう嬉しすぎて我慢の限界!!」
「なんの我慢?笑」
そんな会話をしながら私たちはクラスが書かれている掲示板へと向かった。

「ちひろ、見つけた!?」
「うん、あったよ。1組だった。」
「え、ホント!?私も1組!!」
「やった〜。これで一安心だね。」
「だね〜。」
ほんとに良かった。ずっと心配してたんだよね〜。

「うわー。今年も盛り上がってるね〜」
遠くからそんな会話が聞こえた。
聞こえた先を見ると2人の男の子が。先輩かな?
「ほんとだね。僕達が入学した時のこと思い出す。」
「ちひろ、可愛い子探しに行く!?」
え、ちひろ!?
「りょう。ナンパとかしないでね。」
「分かってるよ。ジョーダン。」
あの先輩、ちひろっていう名前なんだ…
「おーい、ちひろ、聞いてる?」
え、誰が呼んだの?
「え、あ、はい…?」
「どこ見てたの?」
なんだ、まゆか。
「うん、ちょっとね。」
さすがに恥ずかしい。先輩を見てたなんて言えない。
しかも結構イケメンだったし…。
「そっか。まぁ、いいや。教室行こ。ちひろ。」
「うん!」
私は少しだけ『ちひろ』という名前が好きになった気がした。
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