私の愛しいポリアンナ
愛しのポリアンナ





恋と結婚は違うのよ、とは学生時代のバイト先のおばちゃんが言っていた言葉だ。

私の年齢も「そろそろ結婚してもおかしくない」年齢に近づいてきた今日この頃。
恋人いない期間が長い事に、本格的に焦りを感じ始めてきた。

そろそろ彼氏の一人や二人、作っておくべきか?
いや彼氏が二人もいたらまずい。
そもそも結婚しなきゃっていう使命感で彼氏を作るのってどうなのよ?

なんて悶々と考えながら日々を過ごす。
そうしている間にも、季節はどんどん過ぎていく。
このままじゃいつの間にか、私は一人のまま、最終的には孤独死・・・。

想像ばかりが先行して、ため息をつく毎日。
色見本を見ながらも、頭の中は色のことなんか考えていない。
隣のデスクのミヨちゃんは「まぁた不倫騒動ですよ〜」なんて言いながら携帯をいじっている。

いいじゃないか、不倫でも。
愛だ恋だ泥沼だ、それだけ誰かに熱を上げられる元気があるだけ健康的だよ、と私はため息をつく。
ため息。
そう、私は結婚しようとは思うが実際には動けない女。

同じ職場で新卒のミヨちゃんの若さに力を吸い取られる日々に、どうにかしないとと思いながらも私はどうにもできないでいた。


芹沢みのり、百貨店勤務。
主な仕事は店内イベントの広告デザイン。
婚期について、絶賛悩み中だ。







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