私の愛しいポリアンナ


「見合いだ」

「は?」

「相手は俺が探すから、あんたは自分が一番可愛く見える化粧でも探してろ」

「結構です!」

みのりの最後の言葉を聞き流し、秋はよっこいしょと立ち上がる。
お節介でしかないが、こうでもしないとみのりは変わらないだろう。
「え?帰るんですか?」とうろたえたみのりの言葉を無視し、秋は歩き出す。
酔っ払いはみのりがなんとかするだろう。
ダメ男の対処には慣れているはずだ。

それよりも、と秋は頭を切り替える。
自分の部下や得意先の年下のことを考える。
みのりに合いそうな適齢期の男性はいるか?
これはなかなか難しい問題だった。
いい男には彼女がいるし、そもそもみのりには勿体無い男ばかりだ。
というか、秋自身が仲人なんかやったことがないので勝手がわからない。
頼りたくはないが実家を頼るか。
由緒ある家柄でよかった、と思いながら秋はiPhoneを取り出した。





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