私の愛しいポリアンナ
「設楽が幸せにしてやればいいじゃん」
それでこの話は解決だよ、と馬鹿みたいな解決策を提示。
アホか、とタローを小突く。
「俺の好みじゃない」
「まぁ、だろうね」
そう言って、ぐいとビールをあおるタロー。
イカ焼き食べたいなぁ、なんて食欲をそそることをつぶやく。
ビールのお代わりを頼みながら、タローは未だ納得していない顔だった。
「好みってあるとは思うけどさ、好みも嗜好もすっ飛ばして、スコーンッて落ちちゃう恋もあると思うわけよ」
そう言って、意味深に秋の方を見てきた。
いや、ない。
首を横に振っても「えぇ〜?」と信じてないような顔が返ってくる。
「だって設楽、もう芹沢さんから目が離せなくなってるじゃん」
「違う、あの女が俺の視界に入ってくるから、構うしかなくなるだけだ」
そうだろう。
年収1000万越えの男は、芹沢みのりを恋愛対象には見ないのだ。
秋はそう答えながら、最後の枝豆をちびちび食べた。