私の愛しいポリアンナ
しかし秋の変化はとまらない。
ムカムカは日を増すごとにひどくなっているし、みのりのあくび1つにもじっと見つめている自分がいる。
自分はおかしい。
秋ははっきりそう自覚していた。
変化を受け入れたのだ。
受け入れたからといって胸焼けは治らなかったが、1つの進歩だ。
対処法は未だ不明。
いっそのことみのり本人に打ち明けてしまおうかと思ったが、それは秋のプライドが許さない。
自分でなんとかするしかない状況で、秋は思い切って、対象との接近を試みた。
「あの」
目の前には戸惑った顔のみのり。
秋は構わずみのり用のベッド(来客用)に体を滑り込ませる。
「私、眠いんですけど」
「寝てればいいだろ」
「この状況で寝れるほどの胆力はありません」
なんなんですか、と目を細めながら聞いてくるみのり。
その表情からは、眠りを邪魔されたことへの苛立ちが読み取れる。
「寝てていい」
眠りにつく前に終わるから。
秋はそう言いながら、みのりの髪をすく。
風呂上がりのドライヤーをしっかりやらなかったのか、彼女の髪は水分を含んでいた。
みのりは何か言いたそうな顔をしていたが、諦めたのかふっと目を閉じた。