私の愛しいポリアンナ
鹿川の工事も進み、土台しかなかった建物がだんだんと形作られてきた。
参入するホテルや会社の話し合い、法律の整備。
流れる金は決してきれいとは言えないが、日々鹿川をめぐり大きい金額が動いていた。
賭博関連に手を出す企業なんてクリーンなわけないか、と秋はその動向を冷めた目で見守っていたが。
同じ時期に、秋は変わらずみのりと出かけていた。
みのりがどんな特徴、性的指向を持った人物であれ、もう少し一緒にいたい。
秋が出した結論はそれだった。
わからないのだ、彼女が。
意味不明な女、とスルーすることもできたのに秋は知りたいと思った。
好きなのだろう、彼女が。じゃなきゃ知りたいなんて思わない。
秋の家に食事に誘えば、みのりはあっさりついてきた。
キスして、肩を押しても文句も言われなかったのでそのままソファになだれる。
みのりの薄い肩にかかる下着の紐に手をかけながら、秋は口を開いた。
「あんたってさ、軽いの?」
「軽い?」
「なんで好きでもない男と寝るの?ってこと」
パチパチと、ゆっくりとまばたきを2つ。
みのりは相変わらずぼんやりとした表情のまま、秋の顔を見つめた。
手が伸ばされる。
みのりの手が、秋のワイシャツに触れる。
3つほどボタンが外されていく。
「なんでって、それは、好きだって、設楽さんが言ったから」
「好きって言われりゃだれとでも寝るのかよ」
げんなりした秋の調子に、みのりは顔をしかめた。
手が止まり、秋のシャツが少しだけはだけた状態で放置される。中途半端だ。