私の愛しいポリアンナ





秋がタツヤの元を訪れてから2日後に、みのりから電話が来た。
少しの期待とともに繋いだ通話からは、彼女の弾んだ声。
良い返事かと期待したのもつかの間。
みのりは前回のことなど覚えていないような口ぶりで話し出した。

『仕事が決まったそうです!』

「・・・誰のだ?」

『この前会った、子どもが好きな彼の新しい仕事です!』

漏れそうになるため息を抑えながら、そういやそんなこともあったな、と秋は思う。
あれだ、仕事場の近くに保育園ができるから仕事を変えなくてはと言っていた男だ。
どんな仕事に決まったのだろうか。

『勤務先が蘭伝駅近くらしくて、引っ越す前にもう一度会いたいそうなんですが、設楽さん都合のいい日あります?』

続けられたみのりの言葉。
会いたい。秋に、会いたいのだろうか。
みのりの言い方からしてそうなのだろうが、前回の空気が決して和やかではなかったので疑ってしまう。
いや、そもそも会うってどこで。
その辺の飲食店で幼児性愛の話を持ち出されるのはごめんだぞ、俺は。
一瞬でそこまで考えたところで、「俺の家に来るように伝えてくれ」と秋の口は動いていた。




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