私の愛しいポリアンナ
二人の会話
マオちゃんとバーに行った次の日、職場はちょっとした騒ぎになった。
なぜかというと、みのりとバーの彼がアドレス交換してる現場をマオちゃんが見たからだ。
「みのりに春が来た!」と自分のことのように喜ぶマオちゃんにみのりは愛想笑いをこぼすしかない。
真実は春ではない。
けど、彼女の喜びに水をさすのもめんどくさい。
昨日、ポリアンナ症候群のことを言ったちょうどその時。
マオちゃんが来て、みのりと彼はお開きの雰囲気になった。
彼は最初は興味なさそうだったくせに、最後にはみのりの話に興味を持ったらしい。
「タツヤがポリアンナ症候群」と言う話に心惹かれた様子。
別れる時に、連絡先交換を言い出してきたのだ。
渋るみのりに連絡先を交換させたのはマオちゃんだ。
そのことで一晩たっても、みのりはマオちゃんを地味に恨んでいるのだが。
「相手、この前の経済ニュースでも取り上げられてた上場企業の経営者だよ!みのりすごくない!?」
恨んでいるとは言っても、みのりのことなのに自分のことのように喜んでくれるマオちゃんはやはり憎みきれない。
ミヨちゃんは、普段の死んだ目はなんだったのかと言いたくなるくらい目を輝かせてる。
「えー!みのりさんすごい!」
「どの人?」
「このサイトに載ってる?」
ミヨちゃんの声はよく通るからか、わらわらと人が集まってきた。
勤務時間なんだけどなぁ、と思いながらもみのりはこの勢いを止められない。