私の愛しいポリアンナ
みのりが倒れてから一週間ほど経った頃。
もう連絡してこないだろうと思っていた秋からメールが届いた。
あんなに迷惑かけられたのに、この人も飽きないなぁと思いながらメールを見る。
『餃子食うぞ』とだけの短い文。
有無を言わせないその文面は、怒ってるのか、時間がなかったのか。
みのりは金曜日の19時以降なら空いてますと返信しておいた。
そして、金曜はすぐに来た。
「最悪だったんだぞ、この前!」
待ち合わせ場所に着くなり、秋がプリプリ怒って言った。
みのりは仕事の後にまで怒られるのは嫌だったので「はいはい」と受け流す。
迷惑かけたことの謝罪とお礼を言おうと思っていたが、そんな気も失せてしまう。
秋が今度指定した店は、羽根つき餃子が美味しいと評判らしかった。
「本当、体調が悪いならすぐ言えよ。またあんな目はごめんだからな」
「言います、言いますから。病院まで付き添ってくれたみたいで、ありがとうございます」
餃子を四人前たのんでから、秋にようやく向きなおる。
どことなく不機嫌な様子だ。
これは、この前のみのりのこと以外にも嫌なことがあったのかもしれない。
八つ当たりはごめんだと、それとなく話を振る。