私の愛しいポリアンナ
初めまして、ポリアンナ
ここ最近のミヨちゃんの機嫌がいいのは感じていた。
けれどみのりは、隣の席の後輩についぞその理由は聞けないまま。
その様子はみのり以外ももちろん気づいている。
そのくらい、ミヨちゃんの変わりようはあからさまだった。
普段なら何事につけても文句を言うミヨちゃんが、始終ニコニコしている。
マオちゃんなんか露骨に気味悪がっていた。
半年後に控えた「フランスのお菓子フェア」の広告会議でもニコニコ人の意見を聞いているミヨちゃん。
いつもだったらうっとおしいくらいに意見を出してくるのに。
お利口さんに聞き役に回ってるミヨちゃんは、こう言っちゃ失礼だが不気味だった。
何があったのか、みんなが彼女の変わりようにそれとなく興味をもっていた、そんな日々。
真相は、本人の口からあっさり暴かれた。
「もう!サイッッッアクなんですよぉ!」
突然、そう言って鼻息荒くミヨちゃんは出社してきた。
それまでがあまりにもお利口さんモードだったからか、懐かしいミヨちゃんの態度にみのりは安心してしまった。
「何があったの?」
ホワホワした口調でみのりがそう尋ねれば、ミヨちゃんがきつい視線で振り向く。