私の愛しいポリアンナ
「いい!?みのりはもっとこう、エネルギーが必要なの!後輩に舐められないためには、この人なんかすごいなって思わせなきゃだめなの!」
そう言ってグイグイみのりの手を引っ張っていく。
痛いよマオちゃん、なんて言いながらも、みのりは抵抗らしい抵抗もしなかった。
だってめんどくさいし。
マオちゃんは何かにカーッと熱くなると、冷めるまで止まらないタイプだ。
だったら冷めるまで好きにさせておくのが無難だろう。
カツカツとヒールを鳴らし大股で歩くマオちゃん。
手を引かれているみのりも小走り気味だ。
地下鉄を乗り継いで、降りたのは夜の一等地。
みのりなら滅多なことでは来ないような区域。
お高い店が多いのだ。
だってハンバーガーひとつが2500円って、別世界。
物価が高すぎる。
インフレじゃないだけマシだろうけど。
インフレといえば、ジンバブエドルすごいことになってたなぁ。
100兆ジンバブエドル札がアマゾンに売ってたし、なんて思う。
だんだんと思考が別方向に行ってきた頃、はたと考える。
そもそもマオちゃんはなんで私をこんな一等地に連れてきたのか?
「マオちゃん、これどこ行くの?」
「良いとこ!」
みのりの質問にもイライラした口調で返すマオちゃん。
これはダメだ。
本格的にお怒りモード。