私の愛しいポリアンナ






ここ最近のだるさは本当になんなのだろうか。
みのりがぼんやりとしている間にも、会議は終わっていた。


「みのり!あんた前からぼーっとしてたけど、ここ最近さらにひどくなってるよ!」

「うん・・・」


会議が終わってからマオちゃんに強引に空き部屋に連れ込まれ、説教された。
しょんぼりとうなだれながらも、みのりはやはり心ここに在らず。
それはマオちゃんにも伝わったのか、さらに目をキツくされる。


「何かあったの?」


キツイ口調ながら、どこか心配を滲ませた声。

何か。
あったといえばあったが、みのりにもうまく言えない。

秋から鹿川のカジノ化の話を聞いてから一週間後。
カジノ化のニュースが新聞やテレビでも報道されるようになった。
それに合わせて鹿川の現状を伝えるドキュメンタリーや特集番組が増えた。

はじめは、鹿川だからこそ許されていたような「法律ギリギリの店」を面白おかしく紹介する番組がほとんどだった。
けれど、段々と鹿川で横行してる麻薬の売買、人身売買についてもニュースで取りざたされるようになった。
そうなってからは、世間の声は早かった。






< 70 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop