私の愛しいポリアンナ
「タツヤはどこの施設に行くんですか」
「さぁな。そこまでは知らない」
「遠いところでしょうね」
「知らないっつの」
面倒くさそうに言い捨てて秋は器を自分の前から離す。
まだ三分の一ほどラーメンは残っていた。
残すのだろうか。
もったいない。
「まさかとは思うが。タツヤが遠くの施設に移ったら、その近くの会社に転職とかするつもりじゃねぇよな?」
「・・・」
「否定しろ、頼むから」
うんざりした顔の秋。
みのりは黙ってうつむいていた。
「・・・するかも、しれないです」
ぼそりとみのりがそう言えば、重いため息を吐かれた。
「まぁ、あんたの人生だから、好きにすりゃあいいよ」
それだけ言って、立ち上がる。
会計はしておくから、とだけ言って、秋は去ってしまう。