私の愛しいポリアンナ
みのりはテーブルの上に残された二つの器を見つめる。
完食したみのりと、三分の一ほど残した秋。
食べ物を残しちゃダメでしょう、と心の中でつぶやく。
秋にはできるのだ。
必要ないと思ったら、「もういらない」と言うことが。
いつまでも思い出に浸って、手放せないみのりとは違う。
マオちゃんだって、よくないと思ったなら人との縁を切れるのだ。
現にみのりはあれから少しマオちゃんに避けられている。
ラーメンの器。
残ったスープに浮かぶ油を、みのりはぼんやり見つめていた。