私の愛しいポリアンナ
「タツヤと何があったんですか?」
「殴った」
「は?」
「どうしようもないクズだと思ったから、俺がタツヤを殴った」
堂々と、むしろ「やってやった」とばかりに秋は宣った。
そんな偉そうに暴力行為を自慢されても。
みのりは一瞬、秋の自信ありげな態度に押されかけたが、慌てて持ち直す。
「なんてことしてるんですか!タツヤを殴るなんて!」
「口で言ってもわからないだろう、あんなポリアンナクズ太郎」
「タツヤに変な呼び名つけないで!」
本当に、なんてことをしてくれたのか。
落ち着いた様子の秋に対し、みのりは軽くパニックを起こしそうだった。
タツヤを殴るなんて。
彼は小学校の頃、親に虐待されていたのに。
なんでその傷を抉るようなことをするのだ。
パクパクと口を動かし、驚愕の表情で何も言えないみのりに対して、秋はいっそバカにしたような目で見てきた。