私の愛しいポリアンナ
「・・・タツヤが、構ってほしいなら、私は構いますよ」
「・・・」
「最後まで」
宣戦布告してしまった。
これほどまでにタツヤと離れろと言われているのに、なお引かないみのり。
じっと秋と見つめ合う。
大きな瞳からは、感情が抜け落ちているように思えた。
やがて、フゥーっと静かに息を吐き出すと、秋は口を開いた。
「馬鹿か。あんたがそうやっていつまでも構うからアイツが成長しないんだ」
「私の人生だから好きにしろって、この前言ってたじゃないですか」
「気が変わった」
フンと偉そうな秋。
剣呑な雰囲気のところに、ちょうど豚玉が運ばれてきた。
この店は店員さんが作ってから出してくれるところのようで、完成したお好み焼きは非常に濃厚で美味しそうな匂いを放っていた。
海鮮が待ち遠しい。
すぐに食べたかったが、これだけは言っておかないと、と思い顔を上げる。
「私の人生は、私が決めます」
「あんたのは決めてるんじゃない。意地になってるだけだ。だいたい、このままだとあんたまでロクな人生送れないぞ」
「いいんです。自分で決めたいんですから。たとえ、破滅に向かっても、私はタツヤを見捨てません。そばにいます」