私の愛しいポリアンナ
あぁ、本当に、タツヤと私のつながりは消えたのだ、と思った。
秋に引き裂かれる形で。
いや、秋はいつまでも煮え切らないみのりとタツヤを終わらせてくれたのだからむしろ感謝するべきなのかもしれない。
ううん、でも、今までの私の人生は。
タツヤはこれからどんな人生を歩むのだろう。
考えがまとまらない。
心から秋に感謝を伝えられるようになるには、もう少し時間がかかりそうだ。
「・・・色々、ありがとうございました」
死にそうな声でそれだけ言ったみのり。
顔はあげられなかった。
秋がどんな顔をしていたのかはわからない。
しかし、彼が困っているのは空気でわかった。
「引き離した俺が言うことじゃないかもしれないけど、元気出せよ」
本当にあんたが言うことじゃないわ。
みのりは思ったが口には出さず、頷くだけにした。
秋との関係もこれで終わりだ。
彼はこれから、鹿川をカジノ街にして盛り上げるという大きな使命がある。
あのジャンキーしかいなかった街も、数年後にはギャンブル依存症だらけの街になるのか。
まぁ、秋たちのような経営者はお金を吸い取るだけ吸い取って、問題が表面化する前に引いていくのだろうが。
私には関係ない世界だな。
そう思い、みのりは一礼してその場を後にした。
少しの間隔の後、静かにエンジン音が遠ざかっていった。