愛しのニャンコ
その頃俺は営業でうちの近くを回っていた。

『昼でも一緒に食うか』とニャンコが居るはずの部屋に足を向けた。

すると黒いスーツにサングラスの男達が誰かを追っている姿が目に飛び込んで来た。

まさかニャンコが……。

俺は思わずニャンコの明るい笑顔が頭によぎった。

ニャンコ


俺は走った。


息を切らしながら走った。

確かこの辺りは工場していたはずだ、先回りするか。


商店街の裏に行きニャンコを奴らよりも先に見つけなきゃと必死に走った。


角を曲がったその時、ニャンコが向かって来るのが目に映った。

『ニャ…ニャンコ~~』

『晴香さん晴香さ~ん』

その時上空からバッツンと大きな音がした。

丁度ニャンコの上だ。

俺はニャンコ目掛けてニャンコを突き飛ばした。

ドシャ~ン!!


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