お前が好きすぎて、マジやばい。



今日も空は広い。


当たり前だけど、空を見上げるたびにそう思う。


身近にあるものに、人はなかなか気づかない。


当たり前の有り難さなんて、ほとんど感じていないだろ。


当たり前が、当たり前じゃなくなる時、人はどうするだろう。


それは、誰にでも起こり得ることなのに。



「今日も空、綺麗だね。」


『ん?』


「また、明日もちゃんと来るかな?」


『なんで?』


「当たり前なんて、ないから…
あ、ごめんね?
私、変なこと言ってるよね?」


『…いや。言ってねーよ。』



こいつ、一瞬暗い顔した。


はっと、気づいて作り笑いしてるけど…


人は誰にでも、聞かれたくない過去がある。


踏み込むには、それなりの勇気と覚悟がいる。


簡単に聞いてはいけない。


だから、聞かない。


今までもそうしてきた。


ここからは立ち入ってはいけない。


そう思ったところで、一線を引く。


そうやって、人と関わるのを避けてきた。




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