お前が好きすぎて、マジやばい。
手を洗い、トイレから出ると、矢幡はすっごく心配そうな顔で駆け寄ってきた。
気が抜けて、矢幡に倒れ込んでしまう…
『はぁ…はぁ…』
吐いた後なのに息が苦しい…
楽になってねぇ…
すると矢幡は強く俺を抱きしめた…
『なん…で?』
「一緒に図書委員の当番だった日に、雑誌見てた時に書いてあったの。
ギューッとハグをするとね、ストレスが激減するんだって」
あの時か…
「最近、黒田くん…痩せた。
ここ2週間ずっとまた元気ないし…
屋上に行っても会えないし…
1限目もいないもん…ひくっ…ひくっ…」
『なんで…お前が泣くんだよ…』
腕の力を弱めた矢幡の頭を優しく撫でながら、優しく抱きしめた…
「どうしてかな…ひくっ…
よくわかんないや」
『バカ…』
バカ。
俺の心を矢幡は意図も簡単に揺さぶる。
好きの理由なんていらねぇ。
『ったく…
お前が好きすぎて、マジやばいんだよ。』