お前が好きすぎて、マジやばい。
するとさっきまでの母親が豹変して、静かに家から出ていった…。
これでいい…
散らかした部屋を見て、溜息をつく。
親を出ていかせても、どことなく落ち着かない。
イライラする…
《♪♪〜♪♪〜》
スマホが鳴って画面を見ると、知愛から電話がかかっていた。
《『もしもし』》
《「あ、えと…知愛です…」》
《『知ってる』》
《「ごめん…、今日話せてないなーって思って…。
バイト終わったところだった?」》
《『あぁ…終わったよ。』》
《「なら良かった!時間ある?」》
電話越しの知愛の声は明るくて…
ちょっとだけ、冷静さを取り戻せた。
何やってんだろ…
床に割れて散らばったガラス片を拾おうと指を伸ばすと…
《『っい』》
《「へ?どうかした?」》
《『指が切れただけ…』》
《「ガラス…割ったの?」》
電話越しからガラスの音が聞こえたのか、知愛はそう言った。
バカなくせに、鋭い。