初恋のクローバー


「うぅ〜………」


「またうなり声あげてる」


「そんなに後悔するならやめればよかったのにぃ〜」


「だって、あの時は必死だったんだもん……」


彼との出会いから1週間。


いつもと同じ放課後の教室でスマホを眺めていれば、前で2人が呆れたように笑った。


「私、なんて思われたかな?
いきなり電話番号渡すなんて、軽い女とか思われてるかな?」


「それは大丈夫なんじゃない?
風結の話を聞く限り、恋愛的な目的で近づいてきたとは思ってないでしょ」


「そうそう〜。走り方のダメ出しだけなら、きっとただの失礼なやつって認識だよぉ〜」


「うぐっ」


ミヨの攻撃に精神的ダメージを受けながらも、私はもう1度スマホを見つめる。


「話したいなぁ……」


「……ねぇ、風結。もしかして、少しは恋愛的な目的もあった?」


「ぅえ!?」


突然おかしな発言をし出したリカに目を見開くと、ミヨもうんうんと頷いた。


「それ思ったぁ〜。なんか今の風結ちゃん、恋する乙女みたいなんだもぉ〜ん」


「えぇっ!?私が、恋する乙女!?」

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