初恋のクローバー
「今まで休日はずっと部活だったし、私服を着る機会がなかったんだよね〜。
遊ぶなら、久しぶりにオシャレしたい!…んだけど………」
ウキウキ気分でタンスを開けていくけれど、
着ていく服は中々決まらない。
「こっちの方が季節感あるかな?うーん……でもなぁ〜……あっ、これ中学の時に買ったやつだ!懐かしい〜って、小さい……」
何度か思い出に浸りながらも、選び抜いた数着を鏡の前で合わせていく。
「……うん、これにしよっ!」
最終的に残ったオフショルダーの白トップスとデニムのガウチョパンツに決めるとその時、ベッドの上に置きっぱなしだったスマホが振動した。
「電話……ミヨが明日の服の相談でもしてきたのかなっ」
私は手に持っていた服を椅子にかけて、明日の靴はどうしようかななんて考えながら電話に出る。
「はいはーい、ミヨ?
わかってるよ、明日の服のことでしょ〜?」
「……………」
「ミヨ?どうしたの?」
「…………あ、あの…」
「……っ!?え、えっ!?」
突然、電話越しに聞こえた低い声に、私は急いでスマホの画面を確認する。
知らない番号………あっ、もしかして…!!
「インハイの時のあなた!電話してくれたんだねっ!ありがとう!」
待っていた彼からの電話に思いを伝えると、今は遠くにいるであろう彼は遠慮がちに口を開いた。