初恋のクローバー
「そっか、電話きてよかったね」
「風結ちゃんの思いが通じたんだねぇ〜」
「へへ、うん。ありがと」
食後のデザートを食べながら和哉くんとのことを全て話すと、2人は笑顔で喜んでくれる。
「それにしても、風結は相変わらずだね」
「へ?」
「いつも気づくと相手のテリトリーに入ってる。そのフレンドリーさが無自覚なのが風結らしい」
「親しくない人をいきなり名前呼びは、風結ちゃんだから許せるんだよねぇ〜」
「?私、何か間違った?」
2人の言っていることがわからなくて首を傾げれば、2人は微笑で返してくる。
「間違ってないよ。ただ、風結にはそのままでいてほしいなってこと」
「風結ちゃんには、ずっとその可愛さを持っててほしいなぁ〜」
「……??」
「これからも、彼と仲良くできるといいね」
「私たち、応援してるからねぇ〜」
「…!うん、ありがとっ」
友人の応援と口に運んだデザートの美味しさに気分をよくしていた私は、2人が「「ドンマイ」」とここにいない誰かに向けて呟いた声を聞くことはなかった。