初恋のクローバー
「風結、どうしたの?最近元気ないね?」
新人戦が2日後に迫る今日この頃。
朝のホームルームが終わってなんとなく外を眺めていると、心配そうな顔をしたリカが声をかけてきた。
「えっ……そうかな?はは……」
リカの言葉が図星で思わず苦笑いをすれば、リカの横からミヨも顔を出す。
「風結ちゃん……何か困ったことがあったら、
ためこんじゃダメだよぉ〜?」
「……うん、ありがと」
2人とも、本当に私にはもったいないくらいの友達だなぁ……でも…………。
2人の優しさに笑顔を返すけど、この間のことが頭から離れない。
和哉くん………。
何も、できなかった。
周りからの期待が、和哉くんの足枷になっている。
周りからの期待が、和哉くんのプレッシャーになって本当の走りを邪魔している。
私とは似ているようで、全然違う。
あの日、私が和哉くんに言った言葉。
『でもっ、練習を毎日してればそれが自信になるよ!』
嘘だ。
本当はそんなこと思ってない。
毎日の練習が自信になるなんて、そんなのは自己満だ。
私は思ってもいない言葉を和哉くんにかけて、あの頃の自分を思い出していた。