初恋のクローバー
「…………会いたい」
「え?」
「あ……、っ」
気づけば、口に出していた。
私の中の感情が、自分でも知らないうちにその心の奥をさらけ出す。
嬉しい。
悲しい。
楽しい。
苦しい。
愛しい。
集約された全ての感情が、そのままの私を彼にぶつけた。
「………じゃあ、」
先に開かれた口は、彼の方。
「来月のテストで風結がいい点を取れたら、会おうか」
「………えっ?」
一瞬、夢なのかと疑って私は自分の頬を強く引っ張ってみる。
「ぃたっ!」
「えっ、風結?どうしたの?」
「あ、ううん、なんでもないっ!ちょっと妄想しすぎたのかと思って……」
「??」
「そ、それより……本当に?
私がテストでいい点取ったら、会ってくれるの?」
「……うん」
喜びが溢れ出してしまいそうなほど口を震わせながら聞けば、彼はクスッと笑って肯定の意を言葉で表した。