初恋のクローバー


「全体順位……48位………、、」


口から出た自分の言葉にしばらく沈黙したあと、私は視線を上にずらす。


「興野風結……名前は合ってる……」


そしてまた、目線を下にやる。


「48位………48位…!」


私、50位以内とれた……!!


じわじわと湧いてくる実感に、胸が高揚してくる。


「~~~~~~っ」


「風結?どうしたの?」


「あんまり結果よくなかったのぉ~?」


「ううん、とれたっ!48位!!」


持っていた用紙を勢いよく2人に見せれば、私の頭に手が伸びてきた。


「おめでとう。風結の頑張りがちゃんと結果に繋がった証拠だね」


「うんうん。今までの風結ちゃんだったら考えられない順位だよぉ~。頑張ったねぇ~」


「っ、うん!」


優しく頭を撫でてくれる2人の手に、嬉しい気持ちが溢れてくる。


やった……!
私、やれたよ!和哉くんっ!


『来月のテストで風結がいい点を取れたら、会おうか』


「会える……っ」


こみ上げてくる喜びを胸に、私はカバンからスマホを取り出して1本の電話をかけた。

< 71 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop