初恋のクローバー
「全体順位……48位………、、」
口から出た自分の言葉にしばらく沈黙したあと、私は視線を上にずらす。
「興野風結……名前は合ってる……」
そしてまた、目線を下にやる。
「48位………48位…!」
私、50位以内とれた……!!
じわじわと湧いてくる実感に、胸が高揚してくる。
「~~~~~~っ」
「風結?どうしたの?」
「あんまり結果よくなかったのぉ~?」
「ううん、とれたっ!48位!!」
持っていた用紙を勢いよく2人に見せれば、私の頭に手が伸びてきた。
「おめでとう。風結の頑張りがちゃんと結果に繋がった証拠だね」
「うんうん。今までの風結ちゃんだったら考えられない順位だよぉ~。頑張ったねぇ~」
「っ、うん!」
優しく頭を撫でてくれる2人の手に、嬉しい気持ちが溢れてくる。
やった……!
私、やれたよ!和哉くんっ!
『来月のテストで風結がいい点を取れたら、会おうか』
「会える……っ」
こみ上げてくる喜びを胸に、私はカバンからスマホを取り出して1本の電話をかけた。