初恋のクローバー
「もしもし、風結?もう着いた?」
「うん、無事着きました~。昨日は協力ありがとね。お母さんにはミヨと一緒にリカの家に泊まって今日はそのまま遊んで帰るって言ってあるから」
「了解。今ミヨも一緒にいるから、かわるよ」
「もしもし、風結ちゃん~?」
「ミヨ~。ミヨも協力ありがとね」
「私はなんにもしてないよぉ~。それより風結ちゃんは、大丈夫?」
「え…?」
ドキンと、大きく鳴った心音が耳に届いた。
返す言葉に詰まっていると、リカの声が聞こえてくる。
「風結、無理はしないでね。私たち、結構心配してるんだから」
「リカ……」
「大丈夫だよぉ~。風結ちゃんが泣いて帰ってきたら、私たちが慰めてあげるからぁ~」
「ミヨ……泣いて帰ること前提なのはあんまり嬉しくない」
「あはは。でも本当に、あんま気負わないで行ってきな」
「そうそう。風結ちゃんには私たちがついてるんだからぁ~」
「……うん、ありがとう2人とも。もう大丈夫、行ってくるよ!」
「「行ってらっしゃい」」
「よし…っ!」
電話を切るとともに、私は力強い1歩を踏み出した。