拝啓 茉白、愛しい君に花束を。
「帰んぞ、茉白」


手を差し出してくるけど、ふいっと拗ねる。

「やだ、帰んない。」

蒼に背を向ける。

「達矢様も心配してたぞ加奈子様も。」



嘘だ


「ほら、立てよ」

しぶしぶ立ち上がったけど、歩かない。
はぁ…とため息をついて、

「じっとしてろよ」

とつぶやいて、

「へっ!?きゃっ!…ちょ、蒼!」

するりと手を滑らせ、ふわりと持ち上げた。
これは、つまり「お姫様抱っこ」といわれるもの…!!


「……心配させんな」

ぼそっと蒼が言う。

「……」
蒼の胸に顔をうずめて
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