包み愛~あなたの胸で眠らせて~
そして、どちらかの家で食べた。あの年も同じことを何回かしていた。それが、突然出来なくなった。アイスを一緒に食べることだけでなく、他にも出来なくなったことはある。
一番大きかったのは、会えなくなったこと。どちらかの家が旅行でいない時以外、毎日顔を合わせていた。
当たり前の日常で当たり前にいつでも会える友だちだった。
「あの頃が一番楽しかった。紗世とただテレビを見ながらアイスを食べるだけで楽しかった」
「広海くん、あのあと……」
「うん。知っていると思うけど、親が離婚して俺は父親に引き取られた。兄さんは母親に引き取られたんだけど」
「どうして別々に引き取られたか聞いてもいい?」
私にとっても悲しい出来事だったけど、家族がバラバラになった広海くんはもっと悲しかったはず。触れられたくない、思い出したくないことだろう。
でも、話してくれるなら聞きたいし、その気持ちに寄り添いたい。
子供だったあの時は突然会えなくなったことがショックだったけど、大人になった今は自分の気持ちよりも広海くんの気持ちを優先に考えることができる。
一番大きかったのは、会えなくなったこと。どちらかの家が旅行でいない時以外、毎日顔を合わせていた。
当たり前の日常で当たり前にいつでも会える友だちだった。
「あの頃が一番楽しかった。紗世とただテレビを見ながらアイスを食べるだけで楽しかった」
「広海くん、あのあと……」
「うん。知っていると思うけど、親が離婚して俺は父親に引き取られた。兄さんは母親に引き取られたんだけど」
「どうして別々に引き取られたか聞いてもいい?」
私にとっても悲しい出来事だったけど、家族がバラバラになった広海くんはもっと悲しかったはず。触れられたくない、思い出したくないことだろう。
でも、話してくれるなら聞きたいし、その気持ちに寄り添いたい。
子供だったあの時は突然会えなくなったことがショックだったけど、大人になった今は自分の気持ちよりも広海くんの気持ちを優先に考えることができる。