包み愛~あなたの胸で眠らせて~
番外編~ほっと、あたたかく
八月最初の土曜日。「暑い」と容赦なく照らしてくる太陽の眩しさに目を細めながら、広海くんとマンションから外に出た。
名前に『海』が入る広海くんは夏生まれで今日が27才の誕生日。
母親に捨てられたと思っていた広海くんは、毎年の誕生日が苦痛だったという。自分が生まれてきた意味があるのかといつも悩んだそうだ。
「広海くんが今ここにいるから、私も今ここにいられる。広海くんがいてくれるから、強くなれる。生まれてきてくれてありがとう。誕生日、おめでとう」
「紗世、ありがとう」
昨夜、広海くんのところに泊まった。日付が変わった時に私はお祝いの言葉を告げた。私の言葉に微笑んだけど、心の奥深くにある傷みを完全には和らげることは出来なかったかもしれない。
それでも私は出来る限り彼の心に寄り添っていく。
今日はランチをカフェで食べて、夜は広海くんの家で誕生日パーティー。パーティーといっても二人きりだけど、ケーキも作る予定にしている。
名前に『海』が入る広海くんは夏生まれで今日が27才の誕生日。
母親に捨てられたと思っていた広海くんは、毎年の誕生日が苦痛だったという。自分が生まれてきた意味があるのかといつも悩んだそうだ。
「広海くんが今ここにいるから、私も今ここにいられる。広海くんがいてくれるから、強くなれる。生まれてきてくれてありがとう。誕生日、おめでとう」
「紗世、ありがとう」
昨夜、広海くんのところに泊まった。日付が変わった時に私はお祝いの言葉を告げた。私の言葉に微笑んだけど、心の奥深くにある傷みを完全には和らげることは出来なかったかもしれない。
それでも私は出来る限り彼の心に寄り添っていく。
今日はランチをカフェで食べて、夜は広海くんの家で誕生日パーティー。パーティーといっても二人きりだけど、ケーキも作る予定にしている。