包み愛~あなたの胸で眠らせて~
「二人はどこかに行くところだったんだよね? 戻ってもらうのは悪いから、この辺で話そうか?」
直海くんは、近くのカフェにでも入ろかと周辺をキョロキョロした。
でも、外で話すより家の方がいいだろうと広海くんも言って、みんなでマンションへと戻る。
ダイニングテーブルが4人掛けなので、そこに座ってもらってアイスコーヒーを出した。
直海くんとおばさんは広海くんの家に向かっていたが、駅を出た時に直海くんの会社から電話が掛かってきた。それで、直海くんは建物の陰になる場所で話していたそうだ。
ベンチに座っていたおばさんが広海くんに気付いたから良かったけど、行き違いになるかもしれなかった。
直海がアイスコーヒーを飲んで、おばさんに話しかける。
「本当にあそこで会えて良かったよね。ねえ、母さん」
「うん。でも、ごめんね、突然来ちゃって」
おばさんは家に入ってから神妙な面持ちをしていた。実は直海くんが無理やり連れてきたそうだ。
「今日は広海の誕生日だろ? だから、直接話した方がいいと思ったんだよ」
「俺の誕生日なんか覚えていないと思った」
「そんなことないよ。母さんは毎年広海の誕生日にお祝いの手紙を書いていたんだから」
「手紙? そんなのもらったことないよ」
「まあ、一度も出してないから届いてはないけどね、母さん、広海に見せるよ。いいね?」
直海くんは、近くのカフェにでも入ろかと周辺をキョロキョロした。
でも、外で話すより家の方がいいだろうと広海くんも言って、みんなでマンションへと戻る。
ダイニングテーブルが4人掛けなので、そこに座ってもらってアイスコーヒーを出した。
直海くんとおばさんは広海くんの家に向かっていたが、駅を出た時に直海くんの会社から電話が掛かってきた。それで、直海くんは建物の陰になる場所で話していたそうだ。
ベンチに座っていたおばさんが広海くんに気付いたから良かったけど、行き違いになるかもしれなかった。
直海がアイスコーヒーを飲んで、おばさんに話しかける。
「本当にあそこで会えて良かったよね。ねえ、母さん」
「うん。でも、ごめんね、突然来ちゃって」
おばさんは家に入ってから神妙な面持ちをしていた。実は直海くんが無理やり連れてきたそうだ。
「今日は広海の誕生日だろ? だから、直接話した方がいいと思ったんだよ」
「俺の誕生日なんか覚えていないと思った」
「そんなことないよ。母さんは毎年広海の誕生日にお祝いの手紙を書いていたんだから」
「手紙? そんなのもらったことないよ」
「まあ、一度も出してないから届いてはないけどね、母さん、広海に見せるよ。いいね?」