包み愛~あなたの胸で眠らせて~
「広海くんかどうか確かめたいと思ってたけど、やめた方がいいのかな」
「聞くだけ聞いてみても、いいと思うけどね。あれからもう何年も経っているんだから」
「んー、でも悩む。聞ける状況になったら聞くかな」
焦らなくても会社に行けば彼はいるし、同じマンションにも住んでいる。何度か顔を合わせて話をすることが増えたら、聞けるタイミングになるかもしれない。
湊人に写真を返してもらい、私は自分の部屋に入った。カーテンを閉めようと窓まで行く。
ふいに見上げた空には、ほっそりとした三日月が浮かんでた。
「広海くん、今日は満月なんだって! 一緒に見ようよ!」
「うん! じゃあ、あとで紗世んちに行くね」
私が得た情報を広海くんに伝えると、彼はにっこり笑って答えてくれた。その日の夜、私の部屋のベランダから並んで満月を見た。
あの日から1か月も経たないうちに広海くんはいなくなった。その後、満月を見るたびに広海くんを思い出していた。
いつの間にかそんな思い出も薄れていた。今夜、久しぶりに思い出したのは再会したからだろう。
「聞くだけ聞いてみても、いいと思うけどね。あれからもう何年も経っているんだから」
「んー、でも悩む。聞ける状況になったら聞くかな」
焦らなくても会社に行けば彼はいるし、同じマンションにも住んでいる。何度か顔を合わせて話をすることが増えたら、聞けるタイミングになるかもしれない。
湊人に写真を返してもらい、私は自分の部屋に入った。カーテンを閉めようと窓まで行く。
ふいに見上げた空には、ほっそりとした三日月が浮かんでた。
「広海くん、今日は満月なんだって! 一緒に見ようよ!」
「うん! じゃあ、あとで紗世んちに行くね」
私が得た情報を広海くんに伝えると、彼はにっこり笑って答えてくれた。その日の夜、私の部屋のベランダから並んで満月を見た。
あの日から1か月も経たないうちに広海くんはいなくなった。その後、満月を見るたびに広海くんを思い出していた。
いつの間にかそんな思い出も薄れていた。今夜、久しぶりに思い出したのは再会したからだろう。