包み愛~あなたの胸で眠らせて~
そっと、近付く
私が派遣されてから二週間後、今年の新入社員が海外事業課に一人着任した。
課長の隣に立ったその新入社員はハキハキした声で挨拶をし、みんなに好印象を与えた。この新入社員の名は堀田将太(ほったしょうた)という。
「片瀬さん、これ堀田くんの赴任関係の書類なんだけど、総務課に提出してきてもらえるかな」
「はい、かしこまりました」
「あ、俺、自分で行きます」
「いいから。これは片瀬さんにお願いして、堀田くんにはこれから池永くんが業務内容の説明してくれるから、池永くんの指示を仰いで」
課長が私に渡してきた書類を堀田くんは取り返そうとしたが、それは阻止された。提出するくらい自分で行けるだろうし、私の手を煩わせないようにと思ったのだろう。
だけど、新入社員の彼は覚えることが多いから、わざわざ雑務をする必要はない。
「大丈夫ですよ。他にも総務課に出すのがあるので一緒に出してきますから」
「ありがとうございます!」
丁寧に頭を下げる堀田くんに池永さんが近付く。
「堀田くん、ミーティングルームで待っていてください」
「はい、分かりました! えっと……ミーティングルーム?」
「案内しますよ」
課長の隣に立ったその新入社員はハキハキした声で挨拶をし、みんなに好印象を与えた。この新入社員の名は堀田将太(ほったしょうた)という。
「片瀬さん、これ堀田くんの赴任関係の書類なんだけど、総務課に提出してきてもらえるかな」
「はい、かしこまりました」
「あ、俺、自分で行きます」
「いいから。これは片瀬さんにお願いして、堀田くんにはこれから池永くんが業務内容の説明してくれるから、池永くんの指示を仰いで」
課長が私に渡してきた書類を堀田くんは取り返そうとしたが、それは阻止された。提出するくらい自分で行けるだろうし、私の手を煩わせないようにと思ったのだろう。
だけど、新入社員の彼は覚えることが多いから、わざわざ雑務をする必要はない。
「大丈夫ですよ。他にも総務課に出すのがあるので一緒に出してきますから」
「ありがとうございます!」
丁寧に頭を下げる堀田くんに池永さんが近付く。
「堀田くん、ミーティングルームで待っていてください」
「はい、分かりました! えっと……ミーティングルーム?」
「案内しますよ」