包み愛~あなたの胸で眠らせて~
池永さんは堀田くんに告げたあと、課長のもとに行った。なにか報告があるようだ。
残された堀田くんは、右へ左へと顔を忙しく動かす。まだミーティングルームの場所を把握していない様子だった。
私は総務課に提出する書類を抱えて、そこまで案内した。
「すみません。一応社内案内はしてもらったんですけど、ちゃんと把握していなくて」
「一度回ったくらいでは覚えられませんよね。私も最近なんとか覚えてきたところですから」
「えっ、そうなんですか」
廊下を歩きながら、自分が二週間前に来た派遣社員であることを説明した。
この会社に派遣社員がいることを知らなかった堀田くんは驚いていたが、説明に納得をしていた。正社員と派遣社員の違いが分かったようだった。
「こちらになります」
「ありがとうございます。助かりました。あ、池永さん」
話ながらのんびり歩いていたからか、用事を終えたらしい池永さんがいくつかのファイルを脇に抱えた状態で追い付いてきていた。
彼に会釈をして、私は総務課へ向かおうと背を向けると、「片瀬さん」と呼び止められた。
残された堀田くんは、右へ左へと顔を忙しく動かす。まだミーティングルームの場所を把握していない様子だった。
私は総務課に提出する書類を抱えて、そこまで案内した。
「すみません。一応社内案内はしてもらったんですけど、ちゃんと把握していなくて」
「一度回ったくらいでは覚えられませんよね。私も最近なんとか覚えてきたところですから」
「えっ、そうなんですか」
廊下を歩きながら、自分が二週間前に来た派遣社員であることを説明した。
この会社に派遣社員がいることを知らなかった堀田くんは驚いていたが、説明に納得をしていた。正社員と派遣社員の違いが分かったようだった。
「こちらになります」
「ありがとうございます。助かりました。あ、池永さん」
話ながらのんびり歩いていたからか、用事を終えたらしい池永さんがいくつかのファイルを脇に抱えた状態で追い付いてきていた。
彼に会釈をして、私は総務課へ向かおうと背を向けると、「片瀬さん」と呼び止められた。