包み愛~あなたの胸で眠らせて~
心臓がドキンと跳ねたが、平然を装って振り返る。
「はい、何でしょうか?
「その用事が済んでからでいいので、コーヒーを二つ淹れてもらえますか?」
「はい、わかりました」
「お願いします」
ミーティングルームのドアが閉まるのを確認してから、私は小さく息を吐いた。二週間経っても、まだ同一人物かどうか確認していない。なかなか業務以外の話をする機会がないのだ。
総務課に書類を提出し、コーヒーを運び終えてから自分のデスクに戻る。
パソコンに何かを入力していた高橋さんに声をかける。
「ただいま戻りました」
「おかえり。明日ね、歓迎会をするんだけど、片瀬さんの都合はどう?」
「明日ですか……大丈夫です」
「よかった。少し遅くなったけど、片瀬さんの歓迎会でもあるからよろしくね」
私の予定を聞いた高橋さんは出席確認表に丸をつけていた。高橋さんが歓迎会の幹事だという。
歓迎会か。
会社以外の場所でなら、池永さんと話せるかもしれない。翌日に迫った歓迎会に私は心を微かに弾ませた。
帰る場所は同じマンションだから、一緒に帰れるといいな。二人だけになれたら、より話す機会ができる。
「はい、何でしょうか?
「その用事が済んでからでいいので、コーヒーを二つ淹れてもらえますか?」
「はい、わかりました」
「お願いします」
ミーティングルームのドアが閉まるのを確認してから、私は小さく息を吐いた。二週間経っても、まだ同一人物かどうか確認していない。なかなか業務以外の話をする機会がないのだ。
総務課に書類を提出し、コーヒーを運び終えてから自分のデスクに戻る。
パソコンに何かを入力していた高橋さんに声をかける。
「ただいま戻りました」
「おかえり。明日ね、歓迎会をするんだけど、片瀬さんの都合はどう?」
「明日ですか……大丈夫です」
「よかった。少し遅くなったけど、片瀬さんの歓迎会でもあるからよろしくね」
私の予定を聞いた高橋さんは出席確認表に丸をつけていた。高橋さんが歓迎会の幹事だという。
歓迎会か。
会社以外の場所でなら、池永さんと話せるかもしれない。翌日に迫った歓迎会に私は心を微かに弾ませた。
帰る場所は同じマンションだから、一緒に帰れるといいな。二人だけになれたら、より話す機会ができる。