包み愛~あなたの胸で眠らせて~
ミーティングテーブルへと向かう課長と池永さんを目で追う。
やっぱり寝坊したんだ。課長が珍しいと言うから本当に珍しいのだろう。体調が悪いのかな。そういえば手は温かいというより熱かったような……。
電車の中が混雑していて暑かったせいだと思ったけど……もしかして、熱がある?
大丈夫なのかな。
具合が悪いにしては、動きがいつもと変わらない。気のせいなのかもしれない。
首を傾げながら、ノートパソコンのカバーを開ける。その時、高橋さんが何かを探るような顔で見てきた。
思いがけず現れた高橋さんの顔に、私は目を見開いて動きを止めた。
「片瀬さん、池永くんと一緒に来たの?」
「あ、はい。電車でたまたま一緒だったので。でも、一緒にというか、池永さんのあとを私が歩いてきたんですけどね」
「そうか。池永くんはあまり自分から話をしないものね」
「そうですね」
まだたった二週間しか見ていないけど、彼が自分から話すのは業務のことだけだった。口数が少ない人だなとは、感じている。
やっぱり寝坊したんだ。課長が珍しいと言うから本当に珍しいのだろう。体調が悪いのかな。そういえば手は温かいというより熱かったような……。
電車の中が混雑していて暑かったせいだと思ったけど……もしかして、熱がある?
大丈夫なのかな。
具合が悪いにしては、動きがいつもと変わらない。気のせいなのかもしれない。
首を傾げながら、ノートパソコンのカバーを開ける。その時、高橋さんが何かを探るような顔で見てきた。
思いがけず現れた高橋さんの顔に、私は目を見開いて動きを止めた。
「片瀬さん、池永くんと一緒に来たの?」
「あ、はい。電車でたまたま一緒だったので。でも、一緒にというか、池永さんのあとを私が歩いてきたんですけどね」
「そうか。池永くんはあまり自分から話をしないものね」
「そうですね」
まだたった二週間しか見ていないけど、彼が自分から話すのは業務のことだけだった。口数が少ない人だなとは、感じている。