包み愛~あなたの胸で眠らせて~
「ニューヨークに行かれるのですか?」
「はい」
予想していない海外でビックリしたが、ここは海外事業課。海外と一番繋がりのある部署だと改めて気付く。
いきなり明日とは随分急だけど、海外出張があるのは珍しいことではないのだろう。
「ええっ! ニューヨークですか? 池永さん、英語喋れるんですね!」
突然私たちの間に堀田くんが割り込んできた。彼は私が持つ出張申請書を覗いてきて、なぜか興奮して目を輝かせている。
「出張申請書がどんなものなのか見せてもらおうと思ったんですけど、行き先がニューヨークだなんてかっこいいですね。あー、でも俺は喋れないからもし行くことになったら困りますけどね。そういえばここには数人話せる人がいると研修で聞きましたけど、一人は池永さんなんですね」
堀田くんはこの前から思ったけど、よく喋る人だ。表情もよく変わるから、考えていることが分かりやすい。
だけど、その話が少々うるさいようにも感じてしまう。
広海くんがそんな堀田くんにどう対応するのか気になって、彼の顔を窺い見る。
「まあ、一応喋れるけど」
「どうしたら喋れるようになるんですか? どんな勉強したんですか?」
「はい」
予想していない海外でビックリしたが、ここは海外事業課。海外と一番繋がりのある部署だと改めて気付く。
いきなり明日とは随分急だけど、海外出張があるのは珍しいことではないのだろう。
「ええっ! ニューヨークですか? 池永さん、英語喋れるんですね!」
突然私たちの間に堀田くんが割り込んできた。彼は私が持つ出張申請書を覗いてきて、なぜか興奮して目を輝かせている。
「出張申請書がどんなものなのか見せてもらおうと思ったんですけど、行き先がニューヨークだなんてかっこいいですね。あー、でも俺は喋れないからもし行くことになったら困りますけどね。そういえばここには数人話せる人がいると研修で聞きましたけど、一人は池永さんなんですね」
堀田くんはこの前から思ったけど、よく喋る人だ。表情もよく変わるから、考えていることが分かりやすい。
だけど、その話が少々うるさいようにも感じてしまう。
広海くんがそんな堀田くんにどう対応するのか気になって、彼の顔を窺い見る。
「まあ、一応喋れるけど」
「どうしたら喋れるようになるんですか? どんな勉強したんですか?」