包み愛~あなたの胸で眠らせて~
堀田くんの質問はまるで学生が先生に聞くみたいだ。
「どんな勉強って、特には……」
「池永くん、勿体ぶっていないでちゃんと言った方がいいわよ。向こうに住めば喋れるようになると」
「別に勿体ぶっているわけではないですけど」
「ええっ! 住んでいたんですか? アメリカに?」
言葉を濁す広海くんに代わって、高橋さんが明確な答えを出す。それに対しての堀田くんの驚きの声はさらに大きくなった。
私も住んでいたと聞いて驚いたが、声には出さなかった。
「そう、アメリカに10年近く住んでいた。住めば英語が日常言葉になるから、喋れることはすごいことでも何でもないよ」
広海くんは淡々と説明した。
10年とはいつの10年?
17年経ってやっと再会したけど、彼は私の知らない17年をどんなふうに過ごしてきたのだろう。
17年の間の10年はアメリカか。
「そうなんですね! 10年も住めば話せるようになっても不思議ではないですね。でも、すごいです」
「そんなすごいと言われるほどのことじゃない」
まだ尊敬な眼差しを向ける堀田くんに広海くんは、どことなく投げやりに返事をしていた。あまり触れられたくない話題なのかも。
「どんな勉強って、特には……」
「池永くん、勿体ぶっていないでちゃんと言った方がいいわよ。向こうに住めば喋れるようになると」
「別に勿体ぶっているわけではないですけど」
「ええっ! 住んでいたんですか? アメリカに?」
言葉を濁す広海くんに代わって、高橋さんが明確な答えを出す。それに対しての堀田くんの驚きの声はさらに大きくなった。
私も住んでいたと聞いて驚いたが、声には出さなかった。
「そう、アメリカに10年近く住んでいた。住めば英語が日常言葉になるから、喋れることはすごいことでも何でもないよ」
広海くんは淡々と説明した。
10年とはいつの10年?
17年経ってやっと再会したけど、彼は私の知らない17年をどんなふうに過ごしてきたのだろう。
17年の間の10年はアメリカか。
「そうなんですね! 10年も住めば話せるようになっても不思議ではないですね。でも、すごいです」
「そんなすごいと言われるほどのことじゃない」
まだ尊敬な眼差しを向ける堀田くんに広海くんは、どことなく投げやりに返事をしていた。あまり触れられたくない話題なのかも。