包み愛~あなたの胸で眠らせて~
「失礼します。どうぞ」
「すみません、ありがとうございます」
「いいえ。失礼しました」
にこやかにお礼を言うお客様に私も笑顔で会釈をする。そのとき、広海くんからの視線を感じて離れる前に彼を見たけど、もう見てはいなかった。
もどかしくなることが増えていくばかりだ。肩を竦めてから、トレイを抱えて給湯室に戻る途中で「片瀬さん」と呼ばれて足を止めた。
背後から小走りで近付いてきたのは星野さんで、彼女は私の隣に並んで手を出す。
「コーヒーを頼まれて給湯室に行くところなので、それ預かりますよ」
「ありがとう。よろしくお願いします」
星野さんにトレイを渡して、私はデスクへやっと戻った。まだ何もしていないからまずはメールチェックしようとメールボックスをダブルクリックする。
しかし、ここでまた声が掛かる。
「片瀬さん、戻ったばかりで悪いんだけど」
「はい、何でしょう?」
今日はよく呼ばれる日だ。今声を掛けてきたのは主任で、別の応接室にコーヒー二つ運ぶよう頼まれた。
朝から来客も多い日だ。
「すみません、ありがとうございます」
「いいえ。失礼しました」
にこやかにお礼を言うお客様に私も笑顔で会釈をする。そのとき、広海くんからの視線を感じて離れる前に彼を見たけど、もう見てはいなかった。
もどかしくなることが増えていくばかりだ。肩を竦めてから、トレイを抱えて給湯室に戻る途中で「片瀬さん」と呼ばれて足を止めた。
背後から小走りで近付いてきたのは星野さんで、彼女は私の隣に並んで手を出す。
「コーヒーを頼まれて給湯室に行くところなので、それ預かりますよ」
「ありがとう。よろしくお願いします」
星野さんにトレイを渡して、私はデスクへやっと戻った。まだ何もしていないからまずはメールチェックしようとメールボックスをダブルクリックする。
しかし、ここでまた声が掛かる。
「片瀬さん、戻ったばかりで悪いんだけど」
「はい、何でしょう?」
今日はよく呼ばれる日だ。今声を掛けてきたのは主任で、別の応接室にコーヒー二つ運ぶよう頼まれた。
朝から来客も多い日だ。