包み愛~あなたの胸で眠らせて~
昼休みの時間が近くなった時、広海くんを呼ぶ甘い声が聞こえた。
「池永くーん、一緒にご飯食べましょうよー」
声は甘えているが、体は強引で広海くんの腕を掴んでいるその人は朝に航空券の手配を依頼した総務の人だった。
「久しぶりに見る光景ね。でもあの人、まだ諦めていなかったのね」
「久しぶりに?」
私には初めて見る光景だが、高橋さんは何度か見たことがあるらしかった。諦めていないということは、何度も誘っていて、断られているといったところだろうか。
広海くんの好みの女性がどういうタイプかは知らないけど、何度も断るくらいならあの人はタイプではないだろう。
きれいで華やかさのある人だとは思うけど、気の強さが顔にも滲み出ている。気弱な人なら何度も押されているうちに『うん』と頷いてしまいそうな圧倒感もある。
だけど、その強引さは広海くんに効果がないようだ。
今も「すみません、予定があるので」とやんわりと掴まれた腕をほどかれている。
しかし、高橋さんが言うようにすんなりと諦める人ではなかった。
「池永くーん、一緒にご飯食べましょうよー」
声は甘えているが、体は強引で広海くんの腕を掴んでいるその人は朝に航空券の手配を依頼した総務の人だった。
「久しぶりに見る光景ね。でもあの人、まだ諦めていなかったのね」
「久しぶりに?」
私には初めて見る光景だが、高橋さんは何度か見たことがあるらしかった。諦めていないということは、何度も誘っていて、断られているといったところだろうか。
広海くんの好みの女性がどういうタイプかは知らないけど、何度も断るくらいならあの人はタイプではないだろう。
きれいで華やかさのある人だとは思うけど、気の強さが顔にも滲み出ている。気弱な人なら何度も押されているうちに『うん』と頷いてしまいそうな圧倒感もある。
だけど、その強引さは広海くんに効果がないようだ。
今も「すみません、予定があるので」とやんわりと掴まれた腕をほどかれている。
しかし、高橋さんが言うようにすんなりと諦める人ではなかった。