包み愛~あなたの胸で眠らせて~
航空券とチョコを渡しても動かないでその場にいるから、怪訝そうに「まだなにか?」と訊いている。
「ううん、何でもない! 気をつけて行ってきてね!」
「あー、はい」
温度差のあるやり取りに彼女が気の毒に思えるが、なんとなく安心してしまう。
航空券が無事渡ったことも見届けたし、帰ろう。
「片瀬さん、帰るんですか? 良かったら一緒にご飯食べませんか?」
バッグを肩にかけてドアに向かっている時、堀田くんに呼ばれたので足を止める。
「えっと、私と?」
「もちろん。行きましょうよ!」
「あ、でも、あの……今日は用事があって。ごめんなさい」
ここで誘われるなんて全然予想をしていなかったから、焦った返事になる。まだ多くの人が残っていて、そこにいるみんながこちらを見ている。
目立ちたくないのに……。
広海くんだけは関心がないようで、全く見向きもしていなかったが。
「残念です。じゃあ、駅まで一緒に行っていいですか?」
「あ、はい……」
同じ駅まで行くのに無下に断れない。出来ることなら一人で帰りたいのだけど、断る理由が思い浮かばない。
「ううん、何でもない! 気をつけて行ってきてね!」
「あー、はい」
温度差のあるやり取りに彼女が気の毒に思えるが、なんとなく安心してしまう。
航空券が無事渡ったことも見届けたし、帰ろう。
「片瀬さん、帰るんですか? 良かったら一緒にご飯食べませんか?」
バッグを肩にかけてドアに向かっている時、堀田くんに呼ばれたので足を止める。
「えっと、私と?」
「もちろん。行きましょうよ!」
「あ、でも、あの……今日は用事があって。ごめんなさい」
ここで誘われるなんて全然予想をしていなかったから、焦った返事になる。まだ多くの人が残っていて、そこにいるみんながこちらを見ている。
目立ちたくないのに……。
広海くんだけは関心がないようで、全く見向きもしていなかったが。
「残念です。じゃあ、駅まで一緒に行っていいですか?」
「あ、はい……」
同じ駅まで行くのに無下に断れない。出来ることなら一人で帰りたいのだけど、断る理由が思い浮かばない。