包み愛~あなたの胸で眠らせて~
低い声が前から聞こえて、広海くんを見る。
話に夢中になっている堀田くんと星野さんは広海くんが発した声に気づいていない。
じっと見つめてくる広海くんに一瞬たじろいだけど、なんだろうと彼の目をしっかりと見た。
広海くんは小声で聞いてきた。
「元カレの話はしたけど、今の彼のことは秘密?」
「えっ、今の彼?」
「一緒に住んでる彼」
「あ……もしかして、湊人のこと? 弟の湊人を覚えていない?」
私は少し前のめりになって、広海くんと同じように小声で返した。私の返事に広海くんの瞳が揺れる。
広海くんはやっぱり湊人のことを勘違いしていたようだ。顎を手で触りながら、ポツリと呟く。
「弟? 湊人……あ……湊人なんだ」
「うん、そう。湊人と住んでいるの」
「そうか。大きくなりすぎているから、分からなかった」
「うん、立派に成長しました」
きっと広海くんの記憶の中にある湊人は私よりも小さい男の子。だけど、今の湊人は私より20センチ近くも大きい。
湊人に身長を抜かれた時は悔しかったけど、それはその時だけで今は全然気にしていない。
話に夢中になっている堀田くんと星野さんは広海くんが発した声に気づいていない。
じっと見つめてくる広海くんに一瞬たじろいだけど、なんだろうと彼の目をしっかりと見た。
広海くんは小声で聞いてきた。
「元カレの話はしたけど、今の彼のことは秘密?」
「えっ、今の彼?」
「一緒に住んでる彼」
「あ……もしかして、湊人のこと? 弟の湊人を覚えていない?」
私は少し前のめりになって、広海くんと同じように小声で返した。私の返事に広海くんの瞳が揺れる。
広海くんはやっぱり湊人のことを勘違いしていたようだ。顎を手で触りながら、ポツリと呟く。
「弟? 湊人……あ……湊人なんだ」
「うん、そう。湊人と住んでいるの」
「そうか。大きくなりすぎているから、分からなかった」
「うん、立派に成長しました」
きっと広海くんの記憶の中にある湊人は私よりも小さい男の子。だけど、今の湊人は私より20センチ近くも大きい。
湊人に身長を抜かれた時は悔しかったけど、それはその時だけで今は全然気にしていない。