時々、スウィート
時々、スウィート
「終わった、帰ろ」
声を発せば、静まり返ったオフィスに消えていく。
こんな日に残業なんてついてない。
デスクの中から綺麗にラッピングされた箱を取り出した。
はぁ、と溜め息を吐きながらそれをデスクの上に置き、帰り支度を始めたところで、廊下から足音が近付いていることに気が付く。
ドアが開いて入ってきたのは、
「藤岡さん! お疲れ様です! ……でも今日直帰のはずじゃ?」
うちの課、いや、我が社のエース藤岡さん。
クールで近寄りがたいけれど、仕事ができるイケメンにはすべてがプラスに働くらしい。
今日の夕方、藤岡さんが取引先での打合せ後に直帰すると知った女子たちは激しく落胆した。
「忘れものを取りに来た」
「それはお疲れ様です。あの、藤岡さ……」
「今日は2月14日だろ」
そう言うと藤岡さんはこちらに向かって歩き始めた。
私の奥にある藤岡さんのデスクには、女子たちが肩を落としながら置いていったチョコがたくさんある。
ーーそうか、チョコを取りに来たんだ。
そう私が納得したところで、藤岡さんが私の前で立ち止まった。
視線の先には、私が先程出した箱。
声を発せば、静まり返ったオフィスに消えていく。
こんな日に残業なんてついてない。
デスクの中から綺麗にラッピングされた箱を取り出した。
はぁ、と溜め息を吐きながらそれをデスクの上に置き、帰り支度を始めたところで、廊下から足音が近付いていることに気が付く。
ドアが開いて入ってきたのは、
「藤岡さん! お疲れ様です! ……でも今日直帰のはずじゃ?」
うちの課、いや、我が社のエース藤岡さん。
クールで近寄りがたいけれど、仕事ができるイケメンにはすべてがプラスに働くらしい。
今日の夕方、藤岡さんが取引先での打合せ後に直帰すると知った女子たちは激しく落胆した。
「忘れものを取りに来た」
「それはお疲れ様です。あの、藤岡さ……」
「今日は2月14日だろ」
そう言うと藤岡さんはこちらに向かって歩き始めた。
私の奥にある藤岡さんのデスクには、女子たちが肩を落としながら置いていったチョコがたくさんある。
ーーそうか、チョコを取りに来たんだ。
そう私が納得したところで、藤岡さんが私の前で立ち止まった。
視線の先には、私が先程出した箱。
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