寝ても覚めてもキミが好き。
綺麗なブロンドの髪をサラリと靡かす、松前さん。
大きな瞳で千里を見つめる、長岡さん。
きめ細やかな白い肌の望月さん。
みんな、みんな、私のないものを持っていて、
「あぁ、おはよ」
千里と挨拶を交わせる、可愛い女の子。
私は一歩校舎の中に入ると、縮こまって、気持ち悪い顔を長い前髪で隠す。
視界は一気に狭くなり、もう千里の姿なんてはっきりとは見えやしない。
暗く狭くなる視界の中で、女子に囲まれる彼をただ、ぼんやりと眺めるだけ。
これが私の日常。
慣れたもの。
もうずっとこうだから。
昔のように2人で教室に向かうだなんてできないから。
ただ下を向くしかできないから…