寝ても覚めてもキミが好き。

あれ…
何で、目が離せないんだろう…

天本くんの胡桃色の瞳は綺麗で。
千里の飴色の瞳より色が濃いみたい。


…じゃなくて!


こんなとこ千里に見られたら、余計嫌われちゃうよ…!


けど、天本くんは私を思って言ってくれてるだろうし…



「…か、考えさせてください…!」

もうこれしか出てこないよ。


とにかく今は逃げなきゃ…!


脱兎のごとく、私は廊下を走り去った。


…走り去ったはいいけど…


どこ行くつもりなの私…!


まぁ、どこにも行くとこはなくて。
チャイムと同時に席についた私を、天本くんがニコニコと笑って、


「おかえり」


って、上機嫌だった。
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